スパイダーマン:ホームカミング ネタバレ感想

スパイダーマン:ホームカミング - Wikipedia

映画『スパイダーマン：ホームカミング』予告①

まずアクションが100点なのは大前提

（夜のシーンは多少見づらいけど）。

やっぱスパイダーマンのアクションは最高。 

今作のピーターは可愛げに溢れてて良い。

これまでのピーターは

「自分がスーパーパワーにはしゃいだせいでベンおじさんが死んだ罪悪感を抱えた影のある青年」

って感じだったけど、今回は秘密を共有出来る男友達、憧れの先輩ヒーロー、いじめっ子のいない学校、美人なお姉さん系ヒロイン、若いメイおばさんに囲まれた明るく純朴な少年って感じが悲壮感なくて良い。

MCUに組み込まれたおかげで

「スーパーヒーロー達が大活躍してる世界で自分も認められたくて頑張る新米ヒーロー」

っていうこれまでの映画で描かれなかった一面も見れてよかった。 

今回は恒例の「大いなる力には大いなる責任が伴う」を受けてない（多分ベンおじさんにも言われてない）スパイダーマンがパワーのもたらす結果に関して無頓着なまま力を振るって失敗してしまうのが新鮮。

それを見守り諌めに来るのがパワーを振るうことによる被害、責任に対して向き合ってきたトニーっていうのもまた良い。

認められたい想いとヒーローとしての矜持から、自分の生活も失敗した場合の対処も考えずに飛び出してしまうピーターと、これまでの経験とピーターに死んでほしくない想いから地に足の着いた行動を求めるトニー。

このトニーとピーターの関係だけでホームカミングは最高。 

特にトニーは

「大いなる力には大いなる責任が伴う」

に近い

「自分で責任を取り切れない行動はするな。そういうのはアベンジャーズに任せろ」

っていう考え方で動いてるのが父親っぽくて良い。

「小さな事件を解決し、人々に感謝される、そういうヒーローとしての旨味だけ味わってほしい」

「解決した結果多くの人々が傷つき、より多くの人々に非難される、そんな事件はアベンジャーズが（俺が）担う」

っていう親心、自分に憧れてくれる少年に自分と同じ道を歩ませたくないという気持ちが出てて良い。

あと「スーツが無きゃダメならスーツを着る資格は無い」ってセリフもアイアンマン3を思い出すと感慨深くて良い。

もちろんチュロスの件まで全部聞いてて（ちゃんと報告してるハッピーも良い）、緊急パラシュートが作動したら速攻でスーツを向かわせるちょっと過保護なところも良い。

自分の父親みたいにはなりたくないが結果として父親と同じ行動をしてしまいがちなジレンマを感じてるのも良い。

つまり良い。

ピーターはスーツを取り上げられて普通の学生に戻るけど、その学生生活が全然しょぼくれてないのも良い。

遊ぶ友達もいて、授業では成績優秀、ヒロインとの仲もいい感じ、メイおばさんも安心 っていうヒーローじゃなくなったことで全部上手く行きだすところはスパイダーマンらしいところでもあるし。

ただその生活の中でバルチャーと出会ってしまい、日常を捨てハンドメイドスーツを着て駆け出すところは泣ける。

その後の圧殺寸前シーンの

「誰か助けて！」→「やるんだスパイダーマン･･･！」

のセリフは自分の力で自分の責任を取り、ヒーローとして今一度立つ！っていうのを感じさせて良かった。

その後のシーンではちゃんと都市部への墜落を避け、バルチャーも助け出してるしね。

人命救助はヒーローの基本だぜ。 

バルチャーも凄く良かった。

予告編見た時は

「いつものアベンジャーズに恨みを持ってて世界を我が物にしたい悪党」

って感じだったけど、実際は

「家族と社員を養ってかなきゃならない中小企業の社長」

で 崇高な信念も無く、世界への渦巻く恨みも無く、カリスマもあまり無い っていう普通のおっさんだったのが良かった（社会人になってからこういう身の上のキャラはすげー刺さる）。

当然自覚を持って悪事に手を染めてるし人殺しなんだけど、その一方で家族を愛する善良な市民でもあるという狂気、そういう人間の方が追い詰められればどんなことでもやるっていう恐怖が出てたのは素晴らしい。

ピーターがトゥームス家に来た時の 家族に愛されるとぼけたお父さんが車内でピーターの正体に迫り脅しをかける、その間も豹変はせずに表情が温和なままっていうのが並みのヴィランよりも怖さを感じた。

でもやってることは悪事の中でも最後の一線を越えてない（と俺は思った）し、人間性は善良だからスパイダーマンが殺さなくてもカタルシスは十分得られる、最後の獄中シーンで男気も通す っていう好感度の高さも素晴らしい。

個人的にはスパイダーマンもMCUも名ヴィランをポンポン殺しすぎだとは思ってたからここで殺さないのは良いと思う。

でももう一度バルチャーにはなってほしくない、オレゴンで家族仲良く農場を営んでててほしい そんな良悪役。

当然脇の日常キャラも良かった。

ネッドはヒロインよりもヒロイン。

ピーターよりも等身大だし椅子の人も出来るし見た目も帽子負けしてない。

最初はウザいかなと思ってたけど意外に地に足ついてて良い意味の一般人をやってくれるのも有難かった。 
リズは見た目あんまり好みじゃなかったけど本編見たら確かに可愛い。

しかも年上で高身長、頭も良いしリーダーシップもあるで完璧かよ。

結果オレゴン送りなのは可哀想だけど、スパイダーマンに恨みを持ってハリーみたいにはならないでほしい（そういや今回ハリーいないな）。 

MJもクラスに一人はいるめんどくさい奴枠だったけど意外と可愛げがある。

続編で付き合うようには見えないけど将来新聞記者になりそうな感じはビンビン感じるのが上手い。 
フラッシュは完全にウザいやつだったけどパワーバランスがピーターに負けてるのが面白い。

結果車壊されたし許さざるを得ない。 
校長先生はなんか見たことあるなと思ってたけどハウリングコマンドー部隊のアジア人だったのね。孫って言われてるけどひ孫くらいじゃないと計算合わない気もするが。 
ハッピーも最後ちゃんと謝りに来てくれたのは良かった。別に謝る義務があるほどじゃないとも思ったけど、そういうのを子供相手にきちんと出来る大人は立派だ。

総評するとアクション良し、シナリオ良し、スパイダーマン良し、スパイダースーツ良し、スパイダースーツの女の人良し、アイアンスパイダーっぽい新スーツ良し、アイアンマン良し、アイアンマイクロバーニアと射出マシン良し、ハッピー良し、ネッド良し、武器買ってたけど実はわりといい人だった髭の男良し、バルチャー良し、椅子の人としても優秀なメカニックデブ良し、最後の最後に出てきたペッパー良し 
で5万点ですね。

インフィニティウォー前にもっと続編が出てほしい出来でした。 






あとエンドロール後にキャプテンが忍耐を語るシーンは笑った。これ俺が邪推してるだけじゃないよね？

【映画パンフレット】スパイダーマン：ホームカミング特別版　監督：ジョン・ワッツ　出演：トム・ホランド　ロバート・ダウニーJr.　マイケル・キートンほか

「スパイダーマン:ホームカミング」オリジナル・サウンドトラック